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増加が予想されるアジアの医療費②

 グレゴリー・ウィンターはケンブリッジ大学の教授である。彼は癌などの治療方法を研究するチームを率いている。彼はこの研究はいくらか進んだが、その治療は高すぎてほとんどの人が払えないと言っている。彼は「私たちはとりわけコストの問題に悪戦苦闘することになる。免疫抗体治療費はおよそ年に1万5000ドルから7万5000ドルに達するだろう。そしてその治療を受けられる人はほとんどいない。」中国のいくつかのレポートによれば、癌患者とがん患者を家族に持つ者は抗がん剤はかなり多くのお金を払わなければならない。また中には非公式なマーケットで薬を買う人もいるが、効果がなかったりするものや偽薬も含まれていることがあると警告する。中国は薬が認可されるのが遅い。アメリカが認可してから10年間使用することができない薬もある。ウィンター教授によればそのようなケースはインドでも見られる。アジア諸国は「新薬が認可される過程で、もっとリスクを取るべきだ」と彼は言う。

 

脳卒中・痴呆症と大気汚染の関係
 アジア諸国は脳卒中と痴呆症の増加にも直面している。2012年のWHOの報告によれば、世界中で痴呆症患者は3560万人いるが2030年から2050年までに6570万人に達するだろうとされており、痴呆症患者のおよそ60%は低・中所得の国々に集中している。このパーセンテージは今後増すことが予想される。
 WHOは何百万の家計が莫大な医療費によって貧困に至らしめられていることを指摘し増え続ける医療費問題の解決を国家的な緊急優先事項にすべきだと述べた。
 バレリー・フェイジンはオークランド工科大学の応用神経学の教授である。2016年の彼の研究で、大気汚染と脳卒中の間に関連があることが分かった。研究者たちは大気汚染がもたらす脳卒中や肺・心臓疾患の深刻さが見過ごされてきたことを発見した。
 ハチンスキはカナダの西オンタリオ大学の脳卒中・痴呆症研究の権威である。彼によれば大気汚染と脳卒中・痴呆症を関連付ける証拠は増えている。また「これは地球規模の問題だ。大気の流れは国と国ではなく、大陸と大陸の間にある。大気は地球全体に存在しているのだから、バンコクのベイジンの環境問題は地球上の問題である。」と彼は語る。環境保護団体グリーンピースの最近の報告によれば、インドでは大気汚染によって年間120万人が亡くなっているという。これは喫煙による死者数と同じくらいの数である。中国の都市部は冬の間スモッグがまん延する。ある研究はこのスモッグによって中国で年間100万を超える人たちが亡くなっていることを報告している。スモッグは寿命を2年から5年縮めるのである。
 ハチンスキは、アジアは大気汚染問題の解決方法を見つけなければならないと言う。「このままいけば、我々は脳卒中患者、痴呆症患者をケアしていく余裕はなくなる。 —特に大気汚染の61%を担うアジア地域では。」「中国のようないくつかの国によって、日本の脳卒中患者の数も増えるのだ。もちろんあなたも歳をとり、脳卒中や痴呆症になる確率も高まる。」ハチンスキはそう語る。